「健康診断で血糖値が高めと指摘された」「最近疲れやすい」など、体のサインを見過ごしていませんか?
糖尿病は自覚症状なく進行し、気づけば重い合併症を招くこともある病気です。
しかし、2型糖尿病は生活習慣を見直すことで予防は十分に可能です。
まだ診断されていない「予備群」の段階であれば、発症を食い止めることができます。
本記事では、糖尿病予防の基本から、今日から実践できる食事・運動・生活習慣の改善点を徹底解説します。
将来の健康を守るため、正しい知識を身につけて予防の第一歩を踏み出しましょう。
※この記事は、消費者庁や国民生活センター・厚生労働省の発信する情報を基に、作成しています。
※「総額表示」の義務付けに則り、税込価格にてご紹介しています。
※本記事で紹介している医薬品(GLP-1受容体作動薬など)を用いたメディカルダイエットは、肥満治療目的の場合、保険適用外の自由診療となります。
※自由診療(適応外使用)の場合、国の『医薬品副作用被害救済制度』の対象とならない可能性があります。
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糖尿病予備群のうちに予防することが重要

糖尿病は一度発症すると完治が難しい病気ですが、「糖尿病予備群」の段階であれば、生活習慣の改善によって発症を防いだり、遅らせたりすることが可能です。
健康診断などで「血糖値が高め」と指摘された状態が、まさにこの予備軍にあたります。
以下では、具体的にどのような状態を糖尿病予備群と呼ぶかについて解説します。
「糖尿病予備群」とは、どういう状態?
糖尿病予備群とは、血糖値が正常よりは高いものの、糖尿病と診断される基準には至っていない状態のことです。
まだ病気ではありませんが、糖尿病への移行リスクが高い「イエローカード」の状態といえます。
具体的には、健康診断などで測定される血糖値やHbA1c(ヘモグロビンA1c)が以下の範囲にある場合を指します。
- 正常型:空腹時血糖値が110mg/dL未満、かつブドウ糖負荷試験2時間値が140mg/dL未満(HbA1c 5.6%未満)*
- 糖尿病型:空腹時血糖値が126mg/dL以上、またはブドウ糖負荷試験2時間値が200mg/dL以上(HbA1c 6.5%以上)*
この中間(HbA1c 5.6%〜6.4%など)に位置するのが糖尿病予備群です。
自覚症状はほとんどありませんが、この段階から動脈硬化が進行し始めます。
しかし、食事や運動などの生活習慣を見直すことで、血糖値を正常に戻し、本格的な糖尿病の発症を防ぐことが十分に可能です。
*参考:糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告 (国際標準化対応版)|J-STAGE
なぜ肥満が糖尿病を招くのか?(インスリン抵抗性の正体)
予防のために、「なぜ血糖値が上がってしまうのか」というメカニズムを知っておきましょう。
日本人の糖尿病の9割以上を占める「2型糖尿病」の最大の原因は、「内臓脂肪の蓄積(肥満)」です。
私たちが食事をすると、血液中のブドウ糖(血糖)が増えます。すると、膵臓から血糖値を下げるためのインスリンというホルモンが分泌されます。
しかし、食べ過ぎや運動不足によって内臓脂肪が増えすぎると、脂肪細胞から悪玉物質(アディポサイトカイン)が分泌され、インスリンの働きを邪魔してしまいます。
この状態が続くと、膵臓は無理をしてインスリンを出し続け、やがて疲弊してインスリンが出なくなってしまいます。
つまり、糖尿病予防の本質とは、内臓脂肪を減らして、インスリンがスムーズに効く体に戻してあげることなのです。
予防で約40〜60%発症リスクを低減できる
糖尿病は、予備群の段階で食事や運動などの生活習慣を改善することで、その発症リスクを約40~60%も大幅に低減できることが証明されています。
厚生労働省も参考にする米国の「糖尿病予防プログラム(DPP)」という大規模研究*1では、生活習慣の改善に集中的に取り組んだグループは、3年間で糖尿病の発症リスクが58%も減少しました。
この効果は、治療薬を服用したグループを上回る結果です。
また、日本人を対象とした複数の研究*2でも、同様に生活習慣の改善による高い予防効果が確認されています。
まだ病気ではない段階から適切な対策を講じることが、将来の健康を守るうえで重要です。
*1参考:日本内科学会雑誌|厚労科研
*2参考:Diabetes Journal|厚労科研
【食事編】糖尿病を予防する方法

糖尿病予防において、運動と並んで最も重要なのが日々の食生活の見直しです。
「いつ、何を、どのように食べるか」という少しの工夫で、食後の血糖値の急上昇を抑え、体に負担をかけない食事が可能になります。
以下では、今日から実践できる食事のポイントを解説します。
規則正しく3食を摂る
糖尿病予防の食事で最も重要な基本は、1日3食を決まった時間に規則正しく食べることです。
食事を抜くと、次の食事で血糖値が急激に上昇する「血糖値スパイク」を招き、血管にダメージを与え動脈硬化のリスクを高めます。
とくに朝食を抜くと、その日の代謝リズムが乱れ、昼食後・夕食後の血糖値まで上昇しやすくなる*1ため危険です。
朝・昼・晩と食事をすることで、1回の食事量を抑え、血糖値の乱高下を防げます。
研究でも、朝食を欠食すると循環器疾患のリスクが高まる*2ことが示されており、規則正しい3食の習慣は健康維持に重要です。
*1参考:6日連続の朝食欠食が若年健常者の生理学的指標に及ぼす影響|J-STAGE
*2参考:多目的コホート研究(JPHC Study)|国立がん研究センター
食材にこだわる
糖尿病予防の食事では、血糖値の上昇を緩やかにする食材を選ぶことが重要です。
具体的には、食物繊維が豊富な野菜・きのこ・海藻類や、良質なタンパク質源である青魚・大豆製品を積極的に取り入れましょう。
主食は、白米よりもGI値(食後血糖値の上昇度)が低い玄米や雑穀米がおすすめです。
一方で、糖質や脂質の多い菓子パンやお菓子、血糖値を急激に上げる清涼飲料水やジュース、高カロリーなファーストフードは、できるだけ控えましょう。
日々の買い物やメニュー選びで食材に少しこだわるだけで、無理なく血糖コントロールを実践できます。
食べる順番と量を考慮する
糖尿病予防には、食事の「量」だけでなく「食べる順番」も重要です。
とくに、食後の血糖値が急上昇する血糖値スパイクを防ぐ*には、食事の最初に野菜やきのこ類を食べるベジファーストが効果的です。
具体的には、
- 食物繊維(野菜・きのこ・海藻)
- タンパク質(肉・魚)
- 炭水化物(ご飯・パン)
の順番で食べ進めましょう。
最初に食物繊維を摂ることで、後から入ってくる糖質の吸収が緩やかになり、血糖値の急上昇を抑えられます。
このシンプルな工夫は、満腹感を得やすく食べ過ぎ防止にも繋がるため、今日からでも簡単に実践できる予防策です。
*参考:生活習慣病の予防や改善を目指した時間栄養学|J-STAGE
糖尿病予防に役立つ低GI食品を意識する
食事管理において、「何を食べるか」の指標となるのが「GI値(グリセミック・インデックス)」です。
GI値が低い食品ほど食後の血糖値上昇が緩やかになります。
基本的には、「白いものより茶色いもの(精製されていないもの)」を選ぶのが正解です。
▼主な食品のGI値比較
| 食品カテゴリー | 低GI食品 (おすすめ) | 高GI食品 (控えるべき) |
| 主食(穀物) | 玄米、雑穀米、全粒粉パン、そば(十割)、オートミール | 白米、食パン、うどん、餅 |
| 野菜・根菜 | 葉物野菜、ブロッコリー、きのこ類、さつまいも | じゃがいも、にんじん、とうもろこし |
| おやつ・果物 | ナッツ(無塩)、高カカオチョコ(70%以上)、ヨーグルト(無糖)、りんご | ケーキ、クッキー、せんべい、パイナップル |
忙しい人の味方!コンビニ・外食での「正解」メニュー
自炊が難しい日でも、選び方一つで糖尿病予防は可能です。
コンビニや外食では、以下のポイントを意識しましょう。
- おにぎりよりサンドイッチ
- おにぎりは糖質の塊になりがちです。レタスやハムが入ったサンドイッチの方が、食物繊維とタンパク質を摂れます。
- サラダチキンやゆで卵をプラス
- おにぎりやパン単体で済ませず、タンパク質を追加して血糖値の上昇を抑えましょう。
- 飲み物はお茶か無糖コーヒー
- 野菜ジュースや甘いカフェラテは糖分が多いため避けましょう。
- 丼もの・麺類単品は避ける
- カツ丼やラーメンは、糖質と脂質の塊です。
- 定食や幕の内弁当を選ぶ
- 品数が多く、野菜・海藻・タンパク質がバランスよく入っているものを選びましょう。
- ご飯は少なめでオーダー
- 外食のご飯は量が多いため、注文時に減らしてもらうのが賢い予防策です。
【運動編】糖尿病を予防する方法

食事改善と並び、糖尿病予防に欠かせないのが適度な運動です。
運動は血液中のブドウ糖を消費し、インスリンの働きを良くすることで血糖値を安定させます。
激しい運動だけでなく、日常生活の工夫でも効果は十分に期待できます。
以下では、具体的な運動の種類や、無理なく続けるためのコツを詳しく解説します。
週に150分以上の有酸素運動をする
糖尿病予防には、ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を、週に合計150分以上*行うことが推奨されます。
運動は血液中のブドウ糖をエネルギーとして消費し、インスリンの効きを良くするため、血糖値の安定に直接つながります。
重要なのは「継続」であり、毎日30分間の運動を5日間行う、あるいは1回15分の運動を1日2回行うなど、生活スタイルに合わせて分割しても効果は変わりません。
忙しい場合でも、通勤時に一駅分歩く、昼休みに軽い散歩をするなど、こまめに体を動かす習慣をつけることが、無理なく目標を達成する鍵となります。
自宅でできる筋トレを行う
筋トレで筋肉量を維持・増加させると、ブドウ糖をエネルギーとして消費する能力が高まり、血糖値が安定しやすくなります。
ジムに行かなくても、自宅でできる簡単なトレーニングで十分です。
ここでは正しいフォームで行うためのポイントを解説します。
1. スクワット(下半身の強化)
太ももなどの大きな筋肉を鍛えることで、効率よく基礎代謝を上げられます。
- 足の幅:肩幅より少し広めに開く
- 膝の向き:つま先と同じ方向に向ける
- 動作:お尻を後ろに引くイメージで、太ももが床と平行になるまでゆっくり下ろす
- 注意点:膝がつま先より前に出ないようにすることが重要です。膝を痛める原因になります
- 回数:10〜15回 × 2〜3セット
2. かかと落とし(骨ホルモンの分泌)
かかとに衝撃を与えることで、骨から「オステオカルシン」というホルモンが分泌されます。
このホルモンには、インスリンの分泌を促し、血糖値を下げる効果があることが最新の研究で分かっています。
- 動作:背筋を伸ばして立ち、つま先立ちになってから、ストンとかかとを床に落とす
- 回数:1日30回程度
食後にすぐ足踏みをする
食後の血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を抑えるには、食後すぐ(食べ終わってから15分〜30分以内)に体を動かすことが最も効果的です。
激しい運動は必要ありません。
- テレビを見ながらその場で足踏みをする
- 食器洗いをする
- 軽く近所を散歩する
など、少し体を動かすだけで筋肉が血液中の糖を取り込み、血糖値の上昇を抑えてくれます。
日常生活の動きも意識する
糖尿病予防には、特別な運動だけでなく、日常生活の中での「こまめな動き」を増やすことも効果的です。
これは「NEAT(非運動性熱産生)」と呼ばれ、意識的に体を動かすことでエネルギー消費量を高める考え方です。
POINT
毎日の活動量を無理なく増やす工夫
- エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使う
- 通勤時に一駅手前で降りて歩く
- テレビを見ながらストレッチをする
- 家事を少し大げさな動きで行う
「ながら運動」は、血糖値の急上昇を抑え、肥満を改善する効果が期待できます。
まずは「今より10分多く動く」ことを目標に、座っている時間を減らし、立ち上がって動く機会を増やしてみましょう。
【生活習慣編】糖尿病を予防する方法

糖尿病は「生活習慣病」の代表格であり、その予防には食事や運動だけでなく、日々の暮らし方そのものを見直すことが重要です。
睡眠の質、喫煙習慣、ストレスといった要因も、血糖値をコントロールする体の働きに影響します。
健康的な毎日を送るために、具体的にどのような生活習慣を心がければ良いのか、詳しく見ていきましょう。
睡眠の質を上げる
質の高い睡眠を確保することは、糖尿病予防に重要です。
睡眠不足や睡眠の質の低下は、血糖値を上げるホルモンの分泌を促し、糖尿病リスクを高めることが数多くの研究で示されています。
睡眠が不足すると、体を緊張させる交感神経が活発になり、血糖値を下げるインスリンの効きが悪くなります。
複数の研究で、睡眠時間が短い、または長すぎる場合や、睡眠時間にばらつきがある場合に糖尿病の発症リスクが上昇することが報告されています。
1日6〜8時間の規則正しい睡眠を心がけることが、血糖コントロールの安定につながります。
禁煙する
糖尿病予防において、禁煙は食事や運動と同様に重要です。
喫煙は血糖値を下げるインスリンの働きを直接的に妨げ、血糖値が上がりやすい体質を作るため、2型糖尿病の発症リスクを約1.4倍*1高めることが分かっています。
タバコに含まれるニコチンは交感神経を刺激し、血糖値を上げるホルモンの分泌を促します。
また、インスリンの効きを良くする善玉ホルモンを減少させるなど、複数のメカニズムで糖代謝に悪影響を及ぼすのです。
禁煙することで、悪影響を断ち切り、糖尿病リスクを30~40%*2低下させることが可能です。
たとえ禁煙後に一時的に体重が増加したとしても、長期的には心血管疾患などのリスクも大幅に下がるため、その健康上のメリットは計り知れません。
*1参考:喫煙と糖尿病|厚生労働省
*2参考:禁煙で 2 型糖尿病の発症リスクが 30 ~ 40 % 減少|日本WHO協会
ストレス管理を取り入れる
糖尿病予防には、上手なストレス管理が重要です。
慢性的なストレスは、血糖値を上げるホルモンの分泌を促し、インスリンの効きを悪くする「インスリン抵抗性」を増大させるため、血糖値が上がりやすくなります。
ストレスは食生活の乱れにもつながりやすいため、自分に合った解消法を見つけて心身をリラックスさせましょう。
POINT
ストレス解消法の例
- ウォーキングやヨガなどの軽い運動
- 趣味や好きな音楽に没頭する時間を作る
- 友人や家族と話す
- ゆっくり入浴する
- 十分な睡眠をとる
上記のような方法を日常生活に取り入れ、ストレスを溜め込まないように心がけましょう。
定期検診を受ける
糖尿病予防には、自覚症状がなくても定期検診を受けましょう。
糖尿病は初期症状に乏しく、気づかないうちに進行し深刻な合併症を招くため、早期発見を心がけましょう。
健康診断では血液検査で血糖の状態を確認し、特に過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映する「HbA1c」と、検査時の「空腹時血糖値」が重要です。
HbA1cが6.5%以上、または空腹時血糖値が126mg/dL以上*1で「糖尿病型」が強く疑われます。
「糖尿病予備群」(HbA1c 5.6%以上または空腹時血糖値100~125mg/dL*2)の段階で異常に気づき、生活習慣を改善することが発症予防に直結します。
*1参考:保健指導対象者の選定と階層化における随時血糖値の判定基準について|厚生労働省
*2参考:糖尿病予備群といわれたら|糖尿病情報センター
糖尿病になることのリスク

糖尿病の本当の恐ろしさは、高血糖そのものではなく、それが引き起こす「合併症」にあります。
予防へのモチベーションを高めるためにも、放置した場合のリスクを知っておきましょう。
自覚症状がないまま高血糖状態が続くと、全身の血管、特に細い血管がダメージを受け、あらゆる臓器に深刻な障害をもたらします。
以下では、代表的な三大合併症について詳しく解説します。
糖尿病網膜症
糖尿病網膜症は、高血糖状態が続くことで目の網膜にある微細な血管が損傷を受ける合併症です。
初期段階では自覚症状がほとんどなく、静かに進行します。
血管が詰まり網膜が酸欠状態に陥ると、酸素不足を補うためにもろい「新生血管」が発生します。
新しくできた血管が破れて大出血や網膜剥離を引き起こし、急激な視力低下を招き、最悪の場合失明に至る*可能性もあるのです。
失明を防ぐには、自覚症状がなくても定期的に眼科で検査を受けることが重要です。
*参考:網膜症|糖尿病情報センター
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は、高血糖によって腎臓の機能が徐々に失われ、最終的に人工透析が必要になる深刻な合併症です。
腎臓には、血液をろ過し老廃物を尿として排出する「糸球体」という無数の毛細血管があります。
長年の高血糖でこのフィルター機能が壊れると、本来体内に残るべきタンパク質が尿に漏れ、逆に老廃物が体に溜まっていきます。
初期は無症状ですが、進行するとむくみや倦怠感が生じ、末期の腎不全に至ると生命維持のために週3回程度*の透析治療や腎移植が必要です。
糖尿病性神経障害
糖尿病性神経障害は、手足の末梢神経が障害され、痛みやしびれが起こる糖尿病の合併症です。
三大合併症の中で最も早く発症*1し、進行すると感覚が麻痺して怪我に気づかず、足の潰瘍や壊疽(えそ)*2を招き、最悪の場合、足の切断に至る危険があります。
長年の高血糖により、神経細胞そのものや、神経に栄養を送る細い血管がダメージを受けることで発症します。
初期は足の指先や裏に「じんじん」「ぴりぴり」といった痛みやしびれが左右対称に現れますが、進行すると感覚が鈍くなり、痛みや熱さを感じにくくなるのです。
その結果、靴ずれや火傷に気づかず放置してしまい、傷口から細菌が感染し、治りにくい足潰瘍や組織が腐ってしまう足壊疽へと発展することがあります。
*1参考:第157回 弘前医学会例会|J-STAGE
*2参考:糖尿病合併症について|日本糖尿病学会
糖尿病の初期症状
糖尿病の代表的な初期症状は「喉の渇き(口渇)・多飲」「尿の回数や量が増える(多尿)」「食べているのに体重が減る(体重減少)」の3つ*1で、糖尿病の典型的な症状です。
高血糖になると、体は余分な糖を尿として排出しようとする*2ため尿量が増え、脱水状態になり喉が渇きます。
また、細胞がエネルギー源のブドウ糖をうまく利用できず、代わりに脂肪や筋肉を分解するため体重が減少します。
POINT
糖尿病で見られる症状
- 全身の倦怠感、疲労感
- 目のかすみ、視力低下
- 手足のしびれ、こむら返り
- 傷が治りにくい、皮膚の乾燥やかゆみ
しかし、2型糖尿病では初期は無症状のことが多く、これらの症状が出た時点では病状が進行している可能性があります。
*1参考:糖尿病の症状ってなに? ~無自覚に進行させないために~|国立長寿医療研究センター
*2参考:糖尿病とは|糖尿病情報センター
糖尿病予防と医療ダイエットの関係
糖尿病予防の根幹は、インスリンの働きを悪化させる肥満、特に内臓脂肪を解消し、適正体重を維持することです。
近年、医師の管理下で科学的根拠に基づき減量を目指す「医療ダイエット」が有効な選択肢として注目されています。
中でも、食欲を自然に抑え血糖コントロールも助ける「GLP-1受容体作動薬」や「GIP/GLP-1受容体作動薬」は、肥満症治療の選択肢の一つです。
日本では、ウゴービ(セマグルチド)やゼップバウンド(チルゼパチド)が肥満症治療薬として承認されています。
以下では、糖尿病予防と医療ダイエットの関係について詳しく解説します。
予防の鍵は体重管理|肥満と糖尿病の関係
2型糖尿病を予防する最も重要なのは、適正体重の維持、すなわち肥満の解消・予防です。
内臓脂肪が過剰に蓄積すると、血糖値を下げるホルモン「インスリン」の効きを悪くする物質が分泌されます。*
これにより「インスリン抵抗性」という状態に陥り、筋肉や肝臓が血液中の糖をうまく利用できなくなります。
その結果、血糖値が慢性的に高くなり、糖尿病の発症リスクが著しく高まるのです。
したがって、内臓脂肪を減らしインスリンが正常に働く体を保つことが、糖尿病予防の根幹といえます。
*参考:糖尿病|厚生労働省
医師の管理下で行う肥満治療(メディカルダイエット)
医師の管理下で行う「医療ダイエット」は、あくまで肥満症に対する治療法です。
前提として糖尿病予防の基本は、食事療法と運動療法による生活習慣の改善です。
これらを実践しても体重管理が困難な場合に限り、医師の指導のもとで医療ダイエットが選択肢となります。
具体的に、GLP-1/GIP受容体作動薬(糖尿病治療薬としてのマンジャロや、肥満症治療薬として2024年に承認されたゼップバウンド)を用い、食欲に関わるホルモンに作用することで体重減少をサポートします。
ただし、マンジャロは日本では2型糖尿病治療薬としてのみ保険適用されており、肥満症単独での使用には適応外となります。
また、GLP-1受容体作動薬は、予防目的で安易に使用するものではありません。あくまで医学的な適応がある方に対する「治療」であり、医師の診断・管理が必須です。
特に近年注目されるマンジャロなどの薬剤については、以下の記事で効果とリスクを解説しているため、あわせてご覧ください。

糖尿病予防に関するよくある質問
以下に、糖尿病予防についてよくある質問とその回答をまとめました。
当院の医療ダイエットにかかる料金
当院ではマンジャロやリベルサスなどのGLP-1ダイエット薬や内服薬など、あらゆる医療ダイエット薬を処方しています。
当院で取り扱っている治療薬は、以下のとおりです。
⇨横にスクロールできます
| 医療薬名 | 回数 | 料金(税込) |
|---|---|---|
| マンジャロ 2.5mg | 4本(4週分) | 24,031円〜25,840円 |
| マンジャロ 5.0mg | 4本(4週分) | 38,558円〜41,460円 |
| マンジャロ 7.5mg | 4本(4週分) | 53,094円〜57,090円 |
| マンジャロ 10mg | 4本(4週分) | 67,620円〜72,710円 |
| オゼンピック 2.0mg | 1本 | 20,832円〜22,400円 |
| リベルサス 3mg | 30錠(30日) | 7,344円〜9,180円 |
| リベルサス 7mg | 30錠(30日) | 13,936円〜17,420円 |
| リベルサス 14mg | 30錠(30日) | 20,520円〜25,650円 |
| ルセフィ5.0mg | 30錠(30日) | 13,464円〜16,830円 |
| フォシーガ10mg | 30錠(30日) | 13,936円〜17,420円 |
| カナグル100mg | 30錠(30日) | 11,112円〜13,890円 |
| メトホルミン500mg | 60錠(30日) | 4,688円〜5,860円 |
| 防風通聖散 | 60錠(30日) | 5,632円〜7,040円 |
※診察料:1,480円
生活習慣の見直しや「医療ダイエット」のご相談は当院へ
糖尿病は自覚症状がないまま進行し、重篤な合併症を引き起こす恐れがありますが、予備軍の段階で適切な対策を講じれば発症リスクを40〜60%も低減できます。
予防の基本は「規則正しい食事」「週150分以上の運動」「禁煙や良質な睡眠などの生活習慣改善」の3つです。
特に、内臓脂肪を減らし適正体重を維持することが重要で、定期検診による早期発見も欠かせません。
日々の小さな習慣を積み重ねることが、将来の健康を守る大きな一歩になります。
年齢に関わらず、今すぐ予防を始めましょう。
